
九州と聞くと、福岡・長崎・熊本など、7県(あるいは8県)を思い浮かべる人が多いですよね。
でも、「九州」という名前には「九」という文字が入っています。
実はこの名前、古代日本の行政区分である律令制に由来しており、かつて九つの国(九国)から構成されていたことが始まりなんです。
その後、明治時代の廃藩置県によって7県に再編されましたが、名前だけは今も残りました。
そして現代では、天気予報やニュースなどで沖縄を含めた「九州8県」として扱われることもあります。
つまり、九州は“9国・7県・8県”という3つの顔を持つ地域なのです。
この記事では、そんな「九州」という名前の由来や、時代ごとの区分の違いを、わかりやすく整理してご紹介します。
なぜ「九州」と呼ばれるのか?歴史的な由来を解説
「九州」という呼び方は、昔から日本人にとって馴染み深い言葉ですよね。
でも、現在の九州地方は7県(あるいは沖縄を含めて8県)しかありません。
それなのに「九州」と呼ばれ続けているのはなぜなのでしょうか。
ここでは、その語源と歴史をわかりやすくひも解いていきます。
九州という名前の語源は「九つの国(九国)」にあった
「九州」という地名の由来は、律令制(りつりょうせい)という古代の行政制度にまでさかのぼります。
この時代、日本は国(くに)と呼ばれる地方区分に分けられており、現在の九州地方には9つの国がありました。
つまり、もともと「九州」とは“九つの国から成る地域”という意味なのです。
律令制で定められた9つの国と現在の県の対応表
律令制で定められた九州の「九国」と、現在の県の関係を以下の表にまとめました。
| 旧国名 | 読み方 | 現在の県 |
|---|---|---|
| 筑前国 | ちくぜんのくに | 福岡県 |
| 筑後国 | ちくごのくに | 福岡県 |
| 豊前国 | ぶぜんのくに | 福岡県・大分県 |
| 豊後国 | ぶんごのくに | 大分県 |
| 肥前国 | ひぜんのくに | 佐賀県・長崎県 |
| 肥後国 | ひごのくに | 熊本県 |
| 日向国 | ひゅうがのくに | 宮崎県 |
| 薩摩国 | さつまのくに | 鹿児島県 |
| 大隅国 | おおすみのくに | 鹿児島県 |
こうして見ると、当時の「九国」が今の7県(もしくは8県)に繋がっていることが分かります。
「国」と「州」は同じ意味?名称の背景を知ろう
「国」と「州」は実はほぼ同じ意味を持っており、「薩摩の国」を「薩州」と呼ぶこともありました。
つまり「九国」=「九州」なのです。
このようにして誕生した「九州」という呼び名は、地名として定着し、時代を超えて受け継がれてきました。
九州は7県?8県?それとも9つの国?―混乱の理由を整理
九州について調べると、「7県」「8県」「9国」という異なる数字が出てきます。
これは単なる誤りではなく、時代や目的によって区分が変わっているためです。
ここでは、その違いを分かりやすく整理していきます。
明治時代の廃藩置県で9国が7県に再編された
明治4年(1871年)に行われた廃藩置県(はいはんちけん)によって、全国の藩が廃止され、新しく「県」が設けられました。
九州地方でも、9つの国が整理されて現在の7県が誕生します。
| 現在の県 | 旧国 |
|---|---|
| 福岡県 | 筑前・筑後・豊前(一部) |
| 佐賀県 | 肥前(東部) |
| 長崎県 | 肥前(西部) |
| 熊本県 | 肥後 |
| 大分県 | 豊前・豊後 |
| 宮崎県 | 日向 |
| 鹿児島県 | 薩摩・大隅 |
このため、地理的・行政的な意味での「九州地方」は7県を指すのが正式とされています。
天気予報や行政区分では「沖縄を含む8県」として扱われる理由
一方で、気象情報やニュースなどの分野では「九州・沖縄地方」として扱われることがあります。
これは地理的な便宜上、沖縄県を含めて“九州8県”とするケースが多いためです。
学術的には「7県」が正しい一方、生活情報や報道では「8県」という使い方が定着しています。
「九州=7・8・9の3つの顔」をわかりやすく整理
では、結局どれが正しいのでしょうか?
答えは、すべて正しいと言えます。
| 分類 | 該当する県数 | 説明 |
|---|---|---|
| 歴史的な区分 | 9国 | 律令制の時代に定められた九つの国 |
| 地理・行政区分 | 7県 | 明治以降の正式な県構成 |
| 生活情報・天気予報 | 8県 | 沖縄を含める場合が多い |
つまり、九州は時代と目的によって「9・7・8」という3つの姿を持つ地域なのです。
この多層的な成り立ちこそ、「九州」という名前が長く愛されている理由のひとつだと言えるでしょう。
九州の旧国名は今も残っている?地名や駅名で探してみよう
「九州」という言葉が昔の名残から生まれたように、旧国名も今も身近なところに残っています。
実は、街の名前や駅の名前、学校の名前など、私たちの生活の中にも多く登場しているのです。
ここでは、旧国名が現在も使われている例をいくつか紹介します。
福岡県や宮崎県などに残る旧国名の例
まず、旧国名がそのまま地名や駅名に残っている例を見てみましょう。
| 旧国名 | 現在の名称 | 場所・特徴 |
|---|---|---|
| 豊前国 | 豊前市 | 福岡県北東部。旧国名をそのまま市名に採用。 |
| 日向国 | 日向市 | 宮崎県北部。古代からの呼称がそのまま残る。 |
| 肥前国 | 肥前鹿島駅 | 佐賀県鹿島市。鉄道駅名に旧国名が使用。 |
| 筑後国 | 筑後市・筑後川 | 福岡県南部。川の名前にも旧国名が使われている。 |
| 薩摩国 | 薩摩川内市 | 鹿児島県北部。地名として今も広く使われる。 |
このように旧国名は消えたわけではなく、地域の誇りや歴史として形を変えて今も息づいています。
旅行中に「昔の国名」を感じられるスポット紹介
九州を旅行する際には、旧国名を意識してみると旅の楽しさが倍増します。
たとえば、熊本県の阿蘇山周辺では「肥後(ひご)」という言葉を掲げた温泉宿やお土産品が多く見られます。
また、宮崎県の日向市には「日向の国博物館」があり、古代の歴史や神話をテーマにした展示が行われています。
鹿児島県では「薩摩切子」や「薩摩焼」など、工芸品に旧国名がそのままブランド名として残っています。
このような文化的な継承は、九州の地域アイデンティティを守る大切な要素とも言えます。
四国や本州との比較でわかる「九州」という呼び方の面白さ
「九州」という呼称の由来を理解したところで、他の地域と比べてみるとさらに面白い発見があります。
実は「四国」や「本州」などの地名にも、同じように歴史的な意味が隠されているのです。
四国も「四つの国」から来ている
「四国」は、律令制の時代に存在した4つの国から名づけられました。
| 旧国名 | 現在の県 |
|---|---|
| 阿波国(あわのくに) | 徳島県 |
| 讃岐国(さぬきのくに) | 香川県 |
| 伊予国(いよのくに) | 愛媛県 |
| 土佐国(とさのくに) | 高知県 |
つまり「四国」も「九州」と同じく、古代の行政区分を表す呼称なのです。
このように、地名の語源には律令制の名残が今も息づいています。
なぜ「州」という言葉が地名として残り続けたのか
「州」という言葉には、「地域」や「国土」といった広い意味があります。
そのため、時代が変わっても「九州」「四国」「本州」といった地名に「州」という文字が使われ続けました。
この「州」は単なる地理的な区分だけでなく、文化的なまとまりや地域の誇りを象徴する言葉でもあるのです。
まるで「州」という言葉が、日本の地域をつなぐ歴史の接着剤のように感じられますね。
こうした言葉の背景を知ることで、地名が持つ奥深さやロマンを改めて感じることができます。
九州という名前が語る“時代の名残と地域の誇り”まとめ
ここまで、九州という名前の由来や、7県・8県・9国という区分の違いについて見てきました。
最後に、この記事のポイントを整理しながら、九州という名前が持つ意味をもう一度振り返ってみましょう。
九州という呼称が今も使われ続ける理由
「九州」という呼び名が1300年以上も使われ続けているのは、単なる地理的な名称だからではありません。
それは、古代から続く地域のつながりと誇りを象徴しているからです。
もともと九州は9つの国(九国)から成り立ち、明治以降は7県に再編されました。
さらに現代では、天気予報や行政上の都合で沖縄を含めた8県として扱われることもあります。
つまり、九州という名前は「歴史」「地理」「文化」という3つの視点を内包した言葉なのです。
この柔軟さと奥深さこそが、九州という名称が今も愛される理由と言えるでしょう。
歴史を知ると旅がもっと楽しくなる
旅行中に「この地名、昔の国名が残ってるんだ」と気づくだけで、その土地の歴史が一気に近く感じられます。
たとえば、日向市や薩摩川内市など、旧国名を冠した地名を訪れると、古代から続く地域の文化や誇りが自然と伝わってきます。
それはまるで、現代の街並みに歴史が静かに重なっているような感覚です。
もし九州を訪れる機会があれば、昔の「国」の名前を意識して旅してみてください。
そうすれば、きっと今までとは違う視点で、九州の魅力を感じることができるはずです。
九州の名に込められた意味を知ることは、日本の歴史をもっと深く楽しむ第一歩かもしれません。
| 時代 | 区分 | 呼称の意味 |
|---|---|---|
| 律令制の時代 | 9国 | 行政単位としての「九国(九州)」 |
| 明治時代以降 | 7県 | 行政区分としての九州地方 |
| 現代 | 8県(沖縄含む) | 生活情報や天気予報などでの実用区分 |
このように、九州という言葉は時代とともに意味を変えながらも、人々の生活や文化に寄り添い続けています。
歴史を知ることで、地名の奥にある物語を感じ取ることができるでしょう。
九州の由来を知ることが、旅をより深く楽しむための大切な視点になれば幸いです♪